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聞き手 ランナーズパートナー(略:RP)
(RP)小島さんは本業の貿易業で世界各国を訪問し、様々な時差がある国々を相手に働いています。体調管理には独自の工夫をしているんですか。
(小島)はい。現在46歳なので、体調管理の方法や結果には、自分なりに気を配っています。
(RP)本業に加えて外国語での本の執筆、20年近く毎週続けている学生サークルの顧問としての教育活動、自治体や経済団体の貿易アドバイザー、そして日常的なランニングに筋トレと、充実していながらも忙しそうですね。
(小島)私の中では自分にとって大切な活動を選んで、日常生活の中でできる範囲で取り組んでいるので、「忙しい」という思いはないのですが、どれも長期間の努力の集積と継続が必要なので、「体が資本」と考え、全ての元手になる健康には注意しています。
(RP)「体が資本」というシンプルな言葉は、年を重ねるほど実感が伴ってきますよね。小島さんは、その資本となる体を、どのように作っているんですか。
(小島)特に難しい工夫はないのですが、シンプルに分けると、「スタミナの向上、筋力の強化、関節の柔軟化」の三つを心掛けていて、それ以前の基本条件として「体を軽くする」を重視しています。
(RP)どれも重要な中、体重の管理は基本条件なんですね。
(小島)体が重いと、そもそも運動自体が満足にできず、健康状態を向上させることができません。体が重いと動いてもすぐに疲れるし、筋力を強化する前にケガしてしまい、関節にも余計な負担がかかります。そう考えると「体が重い」と感じること自体、シンプルで重要なサインです。ですから、洋服も体型の変化がすぐに分かるサイズのものを着ています。
(RP)健康に必要な条件を段階的に位置付けていて、まずは体重を管理し、その次にスタミナ、筋力、関節の三つの要素なんですね。その三つの中では、どれが重要だと思いますか。
(小島)どれも等しく大切なのでしょうが、私の中では、強いて言えばスタミナです。スタミナがないと運動全体のパフォーマンスが低下して、目標とする健康状態を実現するための運動メニューを遂行できませんから。
(RP)なるほど。では、そのスタミナを付けるのに、どのような工夫をしているのでしょうか。
(小島)筋力強化と関節の柔軟化は、日常的な筋トレとランニング前のストレッチを通じて向上を図っていて、この部分では特別なことはしていません。スタミナの面で重視しているのは、「VO2Max(最大酸素摂取量)」という数値です。
(RP)専門的な言葉ですね。どのような数値なのでしょうか。
(小島)簡単に言うと、「一定の時間に、体にどれだけの酸素を取り込めるか」というキャパシティのことです。この数値が高いほど血液が良い仕事をしてくれるので、運動のパフォーマンスを高く保てるようになり、体内の老廃物や疲労を除去する能力も高まります。
(RP)心臓が作った血液と肺が取り込んだ酸素が動脈を通じて体中に届けられ、静脈を通じて老廃物を除去するサイクルと関係がある数値が、VO2Maxなんですね。
(小島)もっと詳しく言えば、「体重1kg当たり、1分間でどれだけの酸素を摂取できるか」という数値で、酸素の量はミリリットル(ml)で測ります。数値は年齢、性別、体格、運動能力などによって個人差がありますが、概して、VO2Maxが高いほどタフで疲れにくく、筋肉への酸素供給量が増えるので、運動をより長時間行うことができます。または、質の高い運動に要する時間が少なくて済むようになります。